今年はレポートが遅くなりましたが、今年も本当に最高でした✨
会期:2024年10月26日(土)~11月11日(月) ※会期中は無休です
開館時間:8:00~18:00(金土日祝は20:00まで)入館は 閉館時間の60分前まで
一般:2,000円
高校生、大学生:1,500円
小学生、中学生: 500円
もともとの歴史的な話については、別ページ(「よみがえる正倉院宝物」のレポート)で触れていますので、よかったらご一覧ください。
奈良博公式ページはこちらです→ 奈良博公式ページ
朝8時の部は、割とゆったり見られて良かったです😊
毎年同じ事の繰り返しですが、私は下記2点のみ
会場で機材ごとレンタルするのも良いのですが、イヤホンを耳の穴にがっちりねじ込んでノイズキャンセリングし、正倉院の世界に埋没したい私としてはマイイヤホンが必須!
という、『自分のイヤホンで聴ける』というメリットの他に、会期中いつでもどこでも聴けるので『会場の外でも、予習・復習ができる』というメリットも大きくて、私は家で前もってダウンロードしてすぐに一回聴き、会場で順番待ちの列でもオーディオガイドを聴きながら徐々に気持ちを奈良時代まで持って行っています。
ちなみに、オーディオガイドのアプリは、今年も去年同様「IMuT いつでもミュージアム・トーク」でした。
ここからは完全にマニアックな話なのですが、可能な限り微に入り細に入り、かつ、効率的に鑑賞したい私は、下記の2パターンでチェックします。
《軽め》 正倉院展のサイトでダイジェスト版をチェック → こちら
《しっかりめ》 出陳リストを見ながら、気になる宝物を宮内庁の正倉院宝物検索ページでチェック
宮内庁のサイトで、気になる出陳宝物の画像を愛で、添えられたキャプションと複数の写真で予習します。
今回でしたら、魚を見て「キャァ~~~、可愛いぃ~~」ってなったので、宝物検索ページで「魚形」を入力して検索すると、今回の出陳以外にも透明の魚もいる~~~!って発見したり、別の魚形に紐が通されている写真があって、「へぇ~~!こうやって身につけるのかぁ~~」などと見ておくと、いざ宝物を前にした時に、より細かく想像できるのです✨
ちなみに、正倉院宝物検索ページは、こんな感じです。(少しトリミングしました)
「魚形」で検索すると、こんな感じで表示されるので、詳しく見たい宝物をクリックすると、その宝物のページに飛びます。
こうして、胸の高鳴りをおさえつつ、準備して臨む私なのです。
まず、今回とりわけ素晴らしかったのは、複数の宝物のところで、宝物の現物と模造が比較できるように一緒に出陳されていたことです。
遙か一千年以上も前に聖武天皇が実際に肘を置かれたのであろう微かな凹みのある現物の御軾と、その御軾が出来たてのピッカピカだった時の姿を見比べられるだなんて…
この御軾を初めとした北倉からの宝物の数々にあしらわれた中央アジアや西アジア由来のデザインからあふれるシルクロードの気配… あぁ、たまりません✨
え?北倉なん?そうなんや…
北倉の宝物って、最初に光明皇后が大仏様に献納された、いわば聖武天皇のご遺愛の御物たちなのです。なので、聖武天皇が大切にされていた丹!
とてもとても美しく、その包み紙にも色が移っているのか同じ色に見えただけなのか分からないけど、もうその包み紙も含めて全部キレイ💖でした
興福寺西金堂の造営に関する文書なのですが、これをじっくり見ていると、
瑠璃雑色玉 卄四万三千五百九十枚 (243,590枚)とか 卄五万五千九百九十六枚(255,996枚)とか
大ぶりビーズのようなものであろう、その小さき色玉を一粒一粒丁寧に(ちまちまと)20万以上も数えたという当時の公務員の精神力に度肝を抜かれました
鞘の金具が、両翼でその鞘を抱いている鳥のような形をしていて、紐を通すための輪っかを、その鳥がくわえているのです。とにかく超絶可愛いデザインなのです!
ただ、展示ではその実際の姿は直接見られず、横に置かれた写真で確認するのみ。
図録にも載っておらず、大変残念…
万が一、コロンって倒れたら大変…と思うと、非常に展示が難しいデザインだとは思うけど、せめて図録に写真をアップで載せて欲しかったなぁ… と思うぐらい、めちゃくちゃ可愛かったのです
安定の超絶技巧、大好きな木画💖 撥鏤と木画、ホント好き💖
その木画をモリモリ愛でられて最高!という宝物です
南倉の宝物なので、東大寺さんの法要や儀礼で使われていたものだと思うのですが、ものすごく贅沢なデザインなのです。
八角形に面取りされた木の杖の、その各面に金→緑青→金→緑青と順番に下地をつけてから上にトップコートのようにべっ甲を貼っているのです。べっ甲は薄いので、下がゴールドの面は明るく、緑青の面は暗く、それが交互になっていて、すっごく贅沢で美しい…(ため息)
あとは、悲華経(ひけきょう)も五月一日経のひとつなので、いつもの「糸藤」が拝めたし💖
(藤の右下部分が水のような字では無く、「糸」になっているので、私はこの文字を「糸藤」と呼んでいます)五月一日経を見る機会があったら、是非ご注目ください✨
こんな感じです(撮影可の五月一日経のひとつを撮った時の画像です)
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最後の 紫檀金銀絵書几(したん きんぎんえの しょき)の模造では、こんな風に使ってはったんですよ、というのが非常に分かりやすい展示になっていて、ほぉ~!すご~い!って近くに見に行くと、その展示に使われていたのが、杜家立成(光明皇后の直筆と言われている書)だったのが個人的にはツボ中のツボでした。なんて贅沢なデモンストレーション!!!
最後の最後まで楽しませて頂きました。
今年の正倉院展も、残すところあと少し… あと何回行けるかなぁ…