• 奈良の女性専用ゲストハウス

奈良に住んでいると、優れた歴史講座で勉強させていただける機会がたくさんあります。ありがたい、ホントに。

そちらで学んだこと、思ったこと、などをシェアできればと思います。

今回の歴史講座は、全4回で
西山厚先生が、それぞれゆかりのある方をゲストに招いてお話される、というものです。

2020年9月26日(土)のお話をシェアしますね。

今回のテーマは、「聖武天皇と大仏さま」

上司永照師による東大寺目線と、西山厚先生による歴史から紐解く目。
それぞれ別の視点で各40分の講座の後、40分間で二人の対談。
圧巻の120分の講座でした。

まずは上司永照師のお話から

上司師は、1月に東京行った時以来、電車にも乗っていないという話で、人前でお話することも非常に久しぶりとのこと。相変わらず、お声に癒し効果あり。

内容としては、聖武天皇が、なぜ毘盧遮那仏にこだわられたのか、それを紫香楽宮で出された「大仏造立の詔」に寄り添って、お話をされました。

この詔は、度重なる天変地異や愛息子の死、すべての厄災は自分の不徳の致すところだ、、、と自責からくる切ない詔。
「朕薄徳を以って、恭しく大位を承け、志兼済に存して勤めて人物を撫す。」から始まります。

(お気づきでしょうが、今回のレポート、めちゃ長いです)

朕は、薄徳の身ながら即位して以来、生きとし生けるものすべての救済を心がけ、慈しみの情をもって民を治めてきた(訳by森本公誠師)
そして、「乾坤相泰らかに、万代の福業を修めて、動植ことごとく栄えんことを欲す」と。
そこで、仏法の威力によって天地が安泰となり、末代までも残る立派な事業を成就させて、動物も植物も悉く栄えるようにと望む。というのが詔の想いなのだそう。

なので、”光明遍照”(光明=真理で遍く照らす)毘盧遮那仏を造立しよう!ということなんですね。

ここで、「華厳」の教えの話。

華厳経というのは、主人公「廬舎那仏」の教えや世界観「雑華厳浄(ざつけごんじょう)」を説いた経典で、その意味は

  • 雑:さまざまな
  • 華:華
  • 厳:かざる(荘厳する)
  • 浄:きよらかに

ということで、「さまざまな華できよらかに荘厳された」理想の世界の話なんです。

そして、この華は、この世の遍く全てを指します。
あなたも私も、好きな人も嫌いなヤツも、いただく食事や着ている服や、小さな目に見えない粒子でさえも、すべて等しく“華”である、と。

もともと特別なオンリーワン、なんですね。
しかも、そのオンリーワンは、すべて等しいって、究極の平等な世界。

そして光明遍照の光明は、文字通り「光」であり、廬舎那仏は光の仏さん。
要するに太陽である、と。
太陽の光は、「明かり」でもあり「温もり」でもある。

その光明で遍く照らしてくれてはる世界に住んでいる私たち(華)がそれをかざる、、、
全てのものが無限に関係している蓮華蔵世界の実現を目指すわけです。

素晴らしいですよね。

そして、西山先生による「なぜ紫香楽?」の話

あまりにネガティブがことが起きるので遷都を決意して、良い場所を探されてたところ、平城宮より大きく、適した土地を見つけられた、というお話でした。

特に面白かったのは、紫香楽宮の東に「飯道山」(標高664m)があって、大仏殿建設予定地だった甲賀寺(こうかでら)や紫香楽宮を護るようにあり、また山中に聖地として水や森を守る飯道神社がありました。

修二会&二月堂ファンの皆さんはお気づきなはず!!

二月堂にある飯道(いいみち)さんが、まさにそのお社で、今でもまっすぐ大仏殿と平城宮を見護ってはるんです。
はぁ、、、ロマンティック。

そのほかにも、「日本霊異記」より、
聖武天皇がご覧になった、良弁さんと執金剛神との光を放つ不思議な儀式のお話とか、
大仏さまの開眼供養で、もともとは聖武(太上)天皇が開眼をする予定だったのだけど、体調不良に伴い、菩提僊那に開眼供養を依頼されたんですって、とか、
いろんなこぼれ話を伺って、楽しかったです。

それにしても、歴史のお話って、ロマンにあふれていますよね。
そりゃあ多少は史実に脚色も入っているとは思いますが、史実からでも充分読み取れるロマンがたっぷりあります。

ちなみに、10月15日は大仏さま 秋のおまつり

この日は、実は大仏造立の詔が出された日です。
続日本紀によると天平十五年(743年)10月15日条、とのこと。

え?ちょっと待って!って思いません?

開眼が、天平勝宝四年(752年)4月9日なんですよね。
ということは、平城京に戻ってきて、今より1.5倍も大きい大仏殿や100mにも及ぶ七重塔を建てた、その期間なんと8年半?!

ひゃぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!
当時の日本の人口が約500~600万人で、この大仏造立プロジェクトに関わった人々の延べ人数が、その約半数って!そりゃ、そうですよね。

大仏さまの造立には、聖武天皇も自らお手伝いをされたというお話もあったりして、本当に「奈良の大仏」というのは国の大切な宝であり、当時の日本の悲願だったんだなぁ、、、って感動したんです。

なので、毎年10月15日は、お詣りに行きたいと思います。
ちなみに、今回のカバー写真は、昨年の10月15日の写真です。

最後に、決意表明

そして次からの分も、しっかりレポートしますね。
(今回こそ本気)
(って、いつも「レポートするするサギ」でゴメンなさい)
(今回こそ本気)



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