海外営業を担当しているとき、海外のパートナーが来日した時のお世話をするのが
大好きだし、得意だと思っていました。
特に、ローカル体験をすると、ものすごく喜んでもらえることが多かったのです。
例えば、遠くにある有名な観光地に連れて行って、高い懐石料理を囲んでランチをする、、、
という豪華コースより、
日常生活に近い場所やちょっと素敵な”日本”の風景が見られる場所に連れて行って、疲れる前にさっさと帰ってきて、お好み焼きを食べながらビールを飲む、、、
という「え?こんなんで良いの?」ぐらいのコースでも十分喜ばれる、という感じです。
東京勤務していたある時、海外のパートナーが来日して、私に、
「箱根とか関東近辺の観光地も行き飽きたし、日本国内でどこか旅行するのに良い場所ってどこ?」
って聞いてきました。
私は迷わず「だったら、私の故郷、奈良に行ってきてよ」と即答したのですが、
「奈良ってよく分からないし、宿が取れなかった」といって自国に帰ってしまいました。
それが何だか悔しくて、次にそのパートナーが来日した際、私の実家に連れて帰り、
うちにホームステイしてもらいながら奈良を案内して回ると、彼女はとても感激してくれて
「奈良がこんなに素晴らしい場所だったなんて知らなかった!私の第二の故郷だよ!!」
と大満足して帰ってくれたのです。
(この時の、うちのオカンと彼女の化学反応がめちゃくちゃ面白かったのが、
ゲストハウス開業の後押しになったのですが、とても長くなるので、また別の機会に)
その思い出や、海外営業時代の経験を通じて、「ゲストハウスで多くの旅人を受け入れながら、私の故郷“奈良”の良さを伝える人になりたい!」という夢を抱くようになりました。
10年以上も奈良を留守にしていた私は、奈良の最新情報だけでなく、奈良の歴史も微妙な感じです。
奈良を離れる前は、正直、奈良の良さを認識することなく、当たり前すぎて興味のない情報でした。(その節は、ゴメンなさい)
なので、今、新たに奈良の魅力を発見しながら、鮮烈に感動しつつ、奈良の歴史を勉強しています。
一旦外から奈良を見たからこそ、更に美しく見える奈良の姿が、半分ぐらい外様な私には見える!
と自負してしまうぐらい、奈良の魅力を日々発見しています。
もう、いろんな人に伝える前に、自分でいろんなところに行くのが先走って、頭の中がグチャグチャです。
早く、アウトプットしたい!でも、もっとインプットしたい!!という状況です。
これは追々、ちゃんと整理して、皆さんにお伝えしてまいりますね。
ただ、ひとつ言えるのは、里中満智子さんの「天上の虹」(漫画です)は必読!という事です。
持統天皇のお話で、壬申の乱まわりの物語が切ないラブストーリーにすら感じられる秀逸な作品です。
あと、聖武天皇に対する見方や、、、あ、話が脱線しました。スミマセン。
そんな感じで、奈良の魅力を余すところなく伝える先達となれるように勉強中というわけです。
ここまで言えば、皆さん、お分かりだと思います。
うちのゲストハウスは、必ずしも外国人向けの施設ではないのです。
むしろ、日本人の旅行者に利用してもらいたいという思いが強くあります。
なぜなら、「私の故郷“奈良”の良さ」を知ってもらうのは、外国人だけではないからです。
奈良以外の地域から来られた皆さんに知ってもらいたいのです。
特に、日本人の女性に!
だって、奈良って大和撫子のルーツでしょう?
(万葉集でも、女性を撫子に見立てて歌を詠まれていたらしいです)
大和撫子といえば、おしとやかで、楚々としていて、三歩下がって師の影を踏まず
的なイメージがあるかも知れませんが、奈良に都があった時代ほど、女帝がバシバシ
立たれていた時代は無いですよね?
となると、本来の大和撫子って、たおやかで守ってあげなきゃダメなタイプよりは、
割と自立していて、でもきちんと女子力が高くて気品があるタイプだったりして、
と思うのです。
あ、別に私、フェミニズムがどうの!って話が好きな人間ではありません。
でも、真の強さは欲しいなぁ、、、とは個人的に常々思っています、ぐらいのフェミニズム観です。
その”大和撫子”のルーツが、奈良には眠っているような気がして、そこも奈良の魅力だ
と思うのです。うちのゲストハウスから徒歩3分ぐらいのところに、光明皇后の御陵も
(聖武天皇陵と寄り添うように)ありますし、何か不思議な巡り合わせみたいなのを感じます。
なので、少し話がゴチャつきましたが、多くの日本人女性が奈良で真の女子力!
みたいなのを覚醒してくれると最高だと思っています。
もう、これは壮大すぎて、私の夢の範疇を超えていますが。
ただ、そういう不思議なご縁を含めて、奈良を好きになってもらえれば嬉しいですし、
そのお手伝いをしたいと心から思っています。
なので、女性専用ゲストハウスにしました。
理由は2つです。
① シャワーやトイレでのストレスを解消したかったから
② コミュニケーションしやすい環境を整えて、生きた旅情報のやり取りをして盛り上がって欲しかったから
まず、①から。
女性専用の施設なので、シャワーもトイレも女性専用です。
私の実体験で、海外のユースホステルに宿泊していた際、男女兼用のバスルームで
ドキドキした思いをしたことがあったりして、無防備な環境では何かとストレスになりがちなので、
その環境を完全にストレスフリーにしたいと思ったのが発端です。
そして、②。
スキンケアをしながら、明日の行き先や今日の思い出を、自由にコミュニケーション
して欲しいと思い、化粧水やボディクリームなどを共有スペースにおいて、自由に使って
もらえるようにしています。
すっぴんでリラックスしながら、“他のグループのお客さんと気軽に話せる”って、
女子ならではの特技ですよね。
この前なんて、香港とスペインと日本でガールズトークが白熱し、「その気持ち、分かる~!!」と意気投合し、めちゃくちゃ笑えました。
あぁ、また脱線。
要するに、日本人女性に、ゲストハウスという選択肢を、宿泊先の候補に入れてもらえるように願って、是非うちをその初めの一歩にしてもらえればと思い、女性専用にしたのです。
どういうことかと言うと、実際にゲストハウスでの宿泊を経験していないと、
「ゲストハウス」と言えば、外国人のバックパッカーや英語ペラペラの帰国子女たちや
パーリーピーポーな人々のためのもの、というイメージがあるようです。
なので、少しシャイな日本人女性には少しハードルが高いと。
一方で、一泊3500円でゲストハウスに泊まれば、奈良にもう一泊できたり、
もっと別の体験が出来たり、奈良の魅力にもっと触れてもらえるチャンスが広がる、と思うのです。
だったら、女性専用にして、ハードルを取っ払って、コミュニケーションしやすい環境を
整えれば良いじゃないの!という理屈です。
実際、「女性専用なので、なんとなく安心感があって、ここに泊まろうと思いました」
と言って来てくださったお客様もたくさんおられます。
なので、正直言って、女性専用でお客様を限定してしまうと割とシンドイのですが、
女性専用を貫いて、程よい風通しのある、心地よく守られた空間を模索しているのです。
つづきは、「これから、していきたい事」について